これから4区分(FE/AP/DB/NW)について、情報処理技術者試験の「体験談+(不)合格記」シリーズを投稿します。なぜこの4区分かというと、私の受験経験からです。今後情報セキュリティ(SC)も受験してみようと思っています。
ではまず「基本情報技術者試験」から。以降は「基本情報技術者試験=FE」、「応用情報技術者試験=AP」として記述します。
【体験談と合格記】
私が受験したのは10年以上前(H16秋)で、まだ学生だった頃です。
当時は午後の言語選択に表計算は存在しませんでした。
3ヵ月ぐらいゆっくり勉強して、まあ受かるかな?という感じで合格しました。
プログラムを作って遊ぶのが趣味(C言語入門レベル)だったので、午後問題のアルゴリズムがすんなり解けたのだと思います。
勉強に使ったのは以下の本の当時のやつ1冊だけで、苦労したというより楽しかった記憶があります。
さて時代は流れて現在(平成27年)。
昔と比べるとマネジメントやストラテジの分野に重きがおかれるようになり、言語には表計算が登場しました。
私の受験当時のやり方が正しいとも言えませんし、まして学生時代の勉強方法なので非効率的だったようにも思います。
私が最近受け直したのはAPで、FEは改めては受験していません。
しかし仕事柄、情報処理技術者試験(特にFEとAP)の問題はほとんど目を通しています。合格する人、不合格になる人など数多く見てきました。
そういった点を踏まえて試験内容についての私見と、勉強方法についてコメントしたいと思います。
【試験について】
<試験内容>
試験 | 試験時間 | 問題数 | 分野 | 合格点 |
午前 | 150分 | 問1~80 (必須) |
全分野 | 60/100点 |
午後 | 150分 | 問1(必須) | 情報セキュリティ | 60/100点 |
問2~7 (4問選択) |
ハードウェア,ソフトウェア,データベース, ネットワーク,ソフトウェア設計,プロジェクトマネジメント, サービスマネジメント,システム戦略,経営戦略・企業と法務 |
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問8(必須) | アルゴリズム | |||
問9~13 (1問選択) |
ソフトウェア開発 (C,COBOL,Java,アセンブラ言語,表計算ソフト) |
参考URL:IPA 情報処理技術者試験 試験要項 Ver1.8
<合格率>
試験時期 | 合格率 |
H23年秋期 | 26.2% |
H24年春期 | 23.7% |
H24年秋期 | 27.1% |
H25年春期 | 23.0% |
H25年秋期 | 22.1% |
H26年春期 | 23.9% |
H26年秋期 | 23.6% |
H27年春期 | 26.0% |
参考URL:IPA 情報処理技術者試験 統計情報
合格率は25%を下回る程度で推移し、難しいというよりどれだけ時間をかけれるかが問題になる試験です。
初受験の人は、試験範囲の広さに驚くことでしょう。
要求される能力は主に以下の3つです。
①用語の暗記(午前問題)
②基礎レベルのプログラミング能力(午後問題)
③長文読解能力(午後問題)
試験の難易度はそれなりで、とにかく時間をかけて真面目に取り組めば点数が上がります。
才能や業務感覚といったものはあまり関係ありません。
それなのに「簡単な試験だよ」という人や、実際あっさり合格してしまう人がいて、
努力してもなかなか合格できない人がいるのも事実です。
「簡単だよ」という人は大体、以下に該当する人です。
・プログラミングを日常的に行う人:「②基礎レベルのプログラミング能力」が既にある
・学校受験や資格試験に本気で取り組んだ事がある人、社会人:「③長文読解能力」が既にある
そういった人達は、①~③を全てクリアしなければいけない人に比べて、各段に勉強量が少なくて済みます。
かつてその人がそれなりに時間をかけたり努力をした分の差ですから、それを羨んでも仕方ありません。決して才能によるものではないので、すぐに追いつくぞという気持ちで勉強しましょう。同じだけ時間と努力をかければ、後で同じ境地に到達することはできるのですから。
ちなみに受験者全員が苦労するのは「①用語の暗記」です。
午前は中学レベルの数学問題を除いて、ほとんどが暗記問題です。
ただし午前問題は体感で60~70%ぐらいは過去問題と同じような内容なので、ひたすら用語の暗記と過去問題に取り組めば絶対に合格します。
更に上位区分であるAPの午前や他のスペシャリストの午前ⅠはFEとほぼ同じ範囲なので、FEの午前問題で80点近く取れる人はAPの午前にも合格できるレベルです。上位区分でも役立つ事を考えると、勉強のモチベーションも上がるのではないでしょうか。
午後に関してはアルゴリズムと言語問題の配点比率が高いので、時間に余裕があるのなら何かの言語でプログラミングなどいじっておくのも良いでしょう。
こちらは過去問題とは異なる出題になるので、根本的に「②基礎レベルのプログラミング能力」と「③長文読解能力」を身に着けるのが一番です。
【おススメ勉強方法(午前)】
とにかく勉強しましょう。
ハッキリ言って、ここで不合格になるのは勉強不足です。
とはいえできれば効率的に勉強したいという気持ちは誰でもあるかと思います。
個人的におススメするのは、少し余裕を持った時期から勉強を始める事です。
無理に詰め込もうとせず、ちょっとダラけてしまっても良いので、日々継続して用語に慣れましょう。
見覚えのない単語を暗記するのは辛いですが、見慣れてきた単語を覚えるのはそれなりに面白いですよ。
また、おおまかに勉強方法は、以下のどちらかになるかと思います。
(1)テキストを使って用語を覚える→過去問題で知識と現状の理解度を確認
(2)過去問題をひたすら解いて覚える→時々用語の意味をテキストやネットで確認
どっちが良いという事はないので、自分に合う方を選びましょう。
テキストは数多くありますが、各自の理解状況によってどれが良いというのは変わります。ですからこれが最高!という一冊はありません。
軽く中身を見てみて「自分が面白そう」と思って「これならできそう」というものを使うと良いでしょう。特に背伸びはせず、自分ができそうだと思うよりやや易しめのものを買うと、途中で投げ出さないと思いますよ。
【おススメ勉強方法(午後)】
午後は午前と違い、過去問題と同じ内容が出題されることはほとんどありません。
問題文も長めなので、「③長文読解能力」が要求されます。
また「問8:アルゴリズム」と「問9~13:言語問題」は配点が高いため、
「②基礎レベルのプログラミング能力(午後問題)」も身に着けておく方が望ましいです。
勉強方法としては、解き方を理解する事に尽きます。
午前は暗記がメインでしたが、午後は暗記しても意味がありません。
長文読解やプログラミングが苦手な人は、過去問題を詳しく説明しているテキストなどを読み、自分がテキストの解法を思いつくためには何が不足しているかを意識しながら問題を解く練習をしましょう。