合格記と勉強法「AWS 認定クラウドプラクティショナー」

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 「合格記+(不)合格記」、今回はAmazonのクラウドAWS(Amazon Web Service)の「AWS 認定クラウドプラクティショナー」です。

 資格試験を受けるのも5年ぶりぐらいですが、前にベンダー試験を受けたのは10年以上前です。AWS認定資格の中では一番下に位置する試験ですが、やはり新しい分野の試験に挑戦する時は緊張しますね。

【体験談と合格記】
 AWS認定資格はAWS 認定(公式)のページにある通り、「基礎」、「アソシエイト」、「プロフェッショナル」の順に難易度が上がります。その他に「専門知識」として専門分野の認定が用意されています。「基礎」に該当する「AWS認定クラウドプラクティショナー」はAWS全体に関する基礎知識を問う内容です。

 現時点で上位資格はアーキテクト・運用・開発者の内容に分かれており、「アソシエイト」は3種類「プロフェッショナル」は2種類の資格があります。専門知識はセキュリティ・機械学習・Alexa・ビッグデータ、ネットワーク・データベースの6種類の認定が存在します。まあ色々あるものですね。

 私は基本的なサーバー構築の経験があり、他のクラウドサービス(IBM Cloud)を多少利用していましたが、AWSは利用したことがありません。試験を受験する段階に至っても、アカウントを作って初期のセキュリティ設定を行っただけのレベルです。

 特定の企業に寄った技術はあまり覚える意欲が湧かないので、何とかやる気を絞り出して頑張りました。結果、それなりに満足できる点数で合格できたと思います。

点数 合格点
860/1000 700/1000

2020/5時点で「AWS 認定クラウドプラクティショナー」試験対策用の書籍は以下1冊だけしかありません。

 今回、色々と事情があったため事前に英語の動画やトレーニング等を受講しましたが、概ね上記の書籍内容を熟知できれば合格できると思われます。とはいえ用語を暗記するだけだと不合格になる可能性があります。

 そもそもこの書籍の表紙に2018年の新試験に対応と書かれている通り、数年のブランクがあります。書籍で紹介されている資料(ホワイトペーパー等)も発行日が2017年などで、受験時にはサービスや用語に差異が出ています。

 とはいえ根本的な設計思想や主要サービスの在り方はほぼ変わりませんので、メインの参考書にするには十分な内容でした。試験合格に求められている部分がどこなのかを把握して勉強ができれば、合格は難しくない試験です。不安な方は模擬試験を受験しておくことで、本試験で問われる内容について雰囲気が掴めるかと思います。

【試験について】
・受験料:11000円(税別)
・試験時間:90分
・合格ライン:700/1000
・試験形式:CBT
※資格の有効期限は3年

 インターネット上でピアソンから申し込みを行い、最寄りの試験センターで受験可能な日時にて受験します。CBTなので、コンピュータを使った試験になります。問題は選択形式です(択一と複数選択が存在)。申込時に自宅PCから受験できるような選択肢が出ますが、日本では未提供でした。

 選択形式の問題なので、知識を問われます。計算問題などと違って時間をかけても分からないものは分かりません。恐らく時間はたっぷり余ると思います。私は念のため見直しを何度も行いましたが、見落としで誤答している問題が1、2問あることに気付きました。紙と違って、モニタに表示される問題文は位置によって見落とす可能性があるので、見直しはした方がよいでしょう。

 試験の特性と規約上、問題の内容を公開することはできませんが、どうやって勉強したら正解できたのか疑問を抱く内容の問題も出題されます。試験の範囲外じゃないのかと思われる用語や知識を問う問題が含まれているので、しっかり勉強しても恐らく9割以上正解するのは困難な気がしました。

【おススメ勉強方法】
 まずは前述した書籍を使うのが一番手っ取り早いと思います。用語を覚えるのは勿論必要なのですが、どちらかというとAWSの設計思想であるとか、サービスの耐障害性を上げる実例(ユースケース)だとかに寄った問題に対応するのが大変だと思います。基本は暗記ではなく、理解が必要になる感じです。

 完全に初心者から始めた身としては、以下の順番が効率良いのかなと思いました。
(1)試験の概要を掴む
(2)重要なポイントを掴む
(3)改めて用語などを理解する
(4)上位試験の用語をさらっと見る

(1)試験の概要を掴む
 書籍「AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー」を一度最初から最後までざっと読むと良いかと思います。この時点では、用語やサービスなど、全体の雰囲気だけ掴めればOKです。

(2)重要なポイントを掴む
 ここが非常に対策し辛いところです。例えばAWS責任共有モデルやAZなど、しっかり理解しておかないと他の用語がいい加減な理解になってしまう重要ポイントが幾つか存在します。

 AWSトレーニング(デジタルトレーニング)のAWS Cloud Practitioner Essentials(japanese)で動画を見ると理解が深まりますが、如何せん長いし量も多いです。しかも喋っているのが英語で字幕が日本語だと、英語と字幕のずれなどもあって、見るのが辛かったです。

 ホワイトペーパーも幾つか目を通しましたが、量が多すぎるのと、資格に対応した内容で作られているわけではないので、重要な箇所が分からず流し読みになってしまいました。下地の知識はつきますが、あまりにも時間がかかり過ぎる感じがします。

 私は事情があってセミナーを受講した際に要点を掴むことができました。おかげでかなり効率的に勉強できました。無料のオンラインセミナーもあるようなので、受講しておいた方が楽なのかなと思います。やはり要点を掴む勉強法が確立できないのが、試験の難易度を上げている気がします。

 まずはAWS(クラウド)とオンプレとの違い、といった基本的な部分からしっかり理解しておく必要があります。EC2・VPC・ELBなどの主要サービスや、リージョン・AZ・AWS責任共有モデルなどの基本用語について少し踏み込んで理解しておきましょう。耐障害性や可用性をどのようにして向上させているかなどを考えると、重要なポイントが見えてくるのかなと思いました。

(3)改めて用語などを理解する
 重要なポイントが理解できると、用語やサービスについて覚えるべき箇所が見えてきます。特に注意して理解しておいた方が良い箇所に気付くようになるので、改めて書籍を使って勉強したり、忘れがちなところをまとめて一覧にするなどしておくと効率よく勉強できます。

 サービスや用語は数が多いので、類似するものをまとめて、それぞれの違いに着目して覚えましょう。

(4)上位試験の用語をさらっと見る
 模試を受けると分かるのですが、本試験には明らかに範囲外じゃないのかと思われるサービス名称などが出題されると思います。出題数は少ないですが、できるならカバーしておきたいところです。幸い、上位のアソシエイト試験(AWS 認定ソリューションアーキテクト)がクラウドプラクティショナーと大差ない内容になっています。

 ソリューションアーキテクトは試験対策の書籍が多く発売されているので、なるべく最近出版されたテキスト(問題集ではない)を買ってきて、最初から最後まで流し読みすると良いです。知らない用語だけささっと覚えておくだけで十分です。

 AWS 認定ソリューションアーキテクトのテキストを読んで、ほとんど理解できるようでしたら、クラウドプラクティショナーは合格ラインにあると思います。実際、ソリューションアーキテクトの方ではやや深堀りしている箇所は見受けられますが、出題範囲はほとんど変わらないように感じました。

 次はG検定を受けてみようかな。次回の開催だけが限定で半額になっているので・・・業務の方に余裕があれば、ですが。

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