「体験談+(不)合格記」シリーズの「データベーススペシャリスト試験=DB」です。今回は不合格記になります。
【体験談と合格記】
私は半年前(H27春)にデータベーススペシャリスト試験を受験しました。結論から言うと、落ちました。しかし時間をかけただけ点数は上がるので、ネットワークスペシャリストよりも取り組みやすい試験だと思いました。落ちた理由も何となく察しており、主に油断と努力不足です。
それほど勉強時間を取らず、おおよそ午後問題でも60点ぐらい取れそうかなというところで勉強を止めたのが敗因です。本試験でもそこそこいけた感触があり、まあ大丈夫だろうと安心していたところ不合格になりました。結果は以下です。
試験 | 点数 |
午前Ⅰ | 免除 |
午前Ⅱ | 72.00点 |
午後Ⅰ | 69点 |
午後Ⅱ | 54点 |
午後Ⅱが6点足りませんでした。今までの経験から、それほど実力がないのに大丈夫と感じる時は失敗する事が多いです。言い訳がましい感じですが、IPAの午後Ⅱ講評を見る限り正答率が高かったようなのでゲタも少なかったと思います。ギリギリの点数で受けたので、自己責任ですね……無念。次回以降また、頑張ろうと思います。
さて勉強内容と私の技術レベルですが、まずデータベースはさほど得意ではないものの簡単なSQLなどは業務で使用していました。またMySQLの入門書籍(以下)は一通りやった経験はあります。
試験の勉強はある程度効率よく進められたと思います。それでも落ちてしまったのは、60点付近ラインで勉強を止めたからだと自覚しています。
今回は以下の書籍を使って勉強をしました。
「情報処理教科書 データベーススペシャリスト」
→13年分の過去問題が解説付きでデータ配布されるため、非常にありがたいです。過去問題の内容や特に解くべき年度も掲載されています。要点なども勉強になりました。
「ポケットスタディ データベーススペシャリスト」
→試験のテクニック的な部分を学習しました。おかげで理解が進みやすくなりました。
「データベーススペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策」
→色々な視点からの解説が欲しかったので購入。けっこう役立ちました。
「データベーススペシャリスト 過去問題集」
→問題を印刷するのが面倒になり、直接記入用に購入。
不合格になった経緯を含め、勉強法を記します。勉強期間は3ヶ月程度でしたが、間に勉強をしていない期間もありました。
<試験3ヶ月前>
まず過去問題を解いてみました。午前Ⅱは50~60点で、やや点数が足りません。午後ⅠはNWほどではないもののあまり正答できず、何より解答に時間がかかり過ぎます。最後まで解くのに試験時間の倍は必要でした。解説を読みながら何問か解く訓練をしましたが、解答時間はあまり早くなりません。
テキストで勉強しながら、午前Ⅱとおススメされていた年度の午後Ⅰの過去問題を解きました。とりあえず解説を読むとそれなりに理解できたので大丈夫そうだなという油断があり、6~8年分ぐらい解く予定を半分ぐらいで終えることにしました。
<試験2ヶ月前>
合格点ではないものの午後Ⅰがそれなりに解けるようになり、午後Ⅱもあわせて解く練習を始めました。午後Ⅱも午後Ⅰがベースになっているようだったので、基本的には午後Ⅰを重点的に解く訓練を続けました。
ちょっと仕事が忙しくなってきて、コツを多少掴めてきた事、テキストで勧められている過去問題のうち最低限解いておくべき年度だけは解いた事から、勉強を一時中断。
<試験1ヶ月前~2週間前>
勉強を再開し、午後Ⅱも1,2回ぶん解いてみました。感触としては何とかいける感じがします。とりあえず解法テクニックを掴むようにしました。午後Ⅰは依然として時間内には解けませんが、正答率はやや上がってきました。
<2週間前>
試験まで時間がないので、過去問題の書籍版に直接記入して問題を何問か解きました。本来解いておくことが推奨される最低限の問題のみ解き、解法のベースを掴む事に専念しました。何とかギリギリいけるかな、と思えるところまでは勉強できましたが、ここから点数を上げるには訓練時間が必要だと感じました。もはや時間的にどうにもならないので、本番で勝負する事にしました。
<試験当日>
試験時間まで、会場で午前知識の復習と解法テクニックのおさらいをしていました。試験が開始され、午前Ⅱはさほど問題なく終了。午後Ⅰはやはり時間不足でしたが、解きながらなんとかなったという感じがしました。かなり集中したためか、ちょっと頭痛がしていました。
午後Ⅱが始まり、計算のある問1を選択。しかし途中から解けない事に気が付きました。20分ぐらい経過していたのでどうしようか考えましたが、解けないまま無理に進めても仕方ないので問2を解く事に決めます。何とかある程度解けましたが、集中力が限界なのか頭痛が酷くなってきました。とりあえず試験時間いっぱい使って、何とか解けるところは埋められました。
体調や選択ミスなどはありましたが、恐らくそれがなくても合格点には足りなかったと思います。本番での解答時間はさほど不足しませんでしたが、解けない問題があったためかもしれません。
【試験について】
<試験内容>
試験 | 試験時間 | 問題数 | 分野 | 合格点 |
午前Ⅰ | 50分 | 30問 | 全分野 | 60/100点 |
午前Ⅱ | 40分 | 25問 | データベース | 60/100点 |
午後Ⅰ | 90分 | 問1~3 (2問選択) |
データベース | 60/100点 |
午後Ⅱ | 120分 | 問1,2 (1問選択) |
データベース | 60/100点 |
※午前はマークシート、午後は筆記
参考URL:IPA 情報処理技術者試験 試験要項 Ver1.8
<合格率>
試験時期 | 合格率 |
H21年春期 | 16.1% |
H21年春期 | 15.8% |
H22年春期 | 18.2% |
H23年春期 | 16.1% |
H24年春期 | 16.3% |
H25年春期 | 16.7% |
H26年春期 | 17.6% |
参考URL:IPA 情報処理技術者試験 統計情報
合格率は16%程度です。ある程度の能力を持った人たちが受験しての合格率なので、難易度は高いと思います。
この試験は訓練時間に比例して点数が上がる試験だと感じました。私は60点ラインにぎりぎり届くあたりで勉強を止めましたが、合格ラインを上回るために必要な勉強量が非常に多そうだったからという妥協もありました。最低限度の勉強だったので、確実に合格したい人は時間をかけて過去問題を解く訓練を繰り返すべきです。
さほど新規に知識は要求されませんが、データベースは多少扱った経験がある方が勉強は楽です。できればSELECT等のAPまでに出てくるSQLだけでなく、トランザクションやロック等を実際に試した経験があると良いと思います。
要求される能力を満たしていなかった身で恐縮ですが、以下は必要だと感じました。
①基礎知識
②データモデル慣れ
③パターン過去問題訓練
私は上記の①と②はある程度やりましたが、③は不足していたと感じます。
「①基礎知識」は午前Ⅱに出てくる用語やDBの仕組み的な部分の知識です。NWに比べて最低限度の知識でも、午後は解ける感じはします。とはいえスーパー/サブタイプなど、午後の解答に必要な知識も一部あります。
「②データモデル慣れ」は重要だと思います。問題文章、帳票、概念データモデル(ER図)、関係スキーマをそれぞれ対応させる訓練は行った方が良いです。特殊パターンなどもあり、APまでように定まった手順だけで解くのではなく、問題の状況に応じてデータの分け方が異なる点などはしっかり学習すべきです。
「③ パターン過去問題訓練」ですが、基本的にDBは過去の問題から逸脱するような内容は少ないと言われています。過去に出題された幾つかのパターンを解いて、解き方に精通する事が合格に繋がります。ここで過去問題のパターンをどれだけ解く訓練を行ったかが、最終的な点数になると思います。ここは訓練量に依存するので、勉強時間にはやや余裕を持っておくのが良いでしょう。
【おススメ勉強方法(午前Ⅰ)】
免除だったので勉強してませんが、基本的にAP合格レベルの知識があれば十分です。
【おススメ勉強方法(午前Ⅱ)】
テキスト等でちゃんと基礎知識を勉強しているなら、試験直前でも対応可能です。他の試験同様に過去問題と類似した問題が多いので、何度か過去問題を解いておいた方が点数は上がります。
【おススメ勉強方法(午後Ⅰ)】
ここはかなり力を注ぐべきだと思います。解答時間が不足するのは恐らく仕様です。時間が足りない中で合格に必要なだけの解答を残す訓練が必要です。特殊な問題を選択しない限り、午後Ⅱも午後Ⅰの延長にある問題なので、しっかり学習しておくことで午後Ⅱも合格ラインに近い点数は取れるようになります。
【おススメ勉強方法(午後Ⅱ)】
とにかく過去問を解きましょう。午後Ⅰの訓練がしっかりできているのなら、あとは訓練あるのみだと思います。ただし私は午後Ⅱに関してだけは、勉強方法を勧めるほど自身で取り組んでいません。次回しっかり過去問題を量解いた上で、また効果など記したいと思っています。