スパークリングホラー
怖い話を集めてみた感じのサイト☆(無断転載禁止)
Menu

[怖い話]第01話 デートスポット 2017年8月24日


これはぐおじあの中学の先輩から聞いたお話…
※記憶が曖昧な部分は多少創作が入ってます

広告





中学生だった先輩は地元で有名なデートスポットのキャンプ場に一人で来ていた。
彼は先人達のお手本から学ぶ為に駐車場近くの廃屋に身を潜めていたのである。

期待に胸を躍らせながら駐車場に止まっている車を双眼鏡で眺めていると、
ふと後ろに気配は感じた…

恐る恐る後ろを振り返ると髪の長い女が立っていた。

「ひっ!!」

突然の出来事に動けずに居ると女はふっと消えた…

先輩は一目散に逃げだしたという。

広告





[怖い話]第01話 デートスポット へのコメントはまだありません

【R-15】遭難 2017年8月23日


猛吹雪の中、遭難した3人は山小屋に避難する。しかし、食料のない中、彼等は禁忌を犯すことに決めるが……。

広告





食人表現があります。読む際はご注意ください。

 隙間風が吹き込む。ビョオ、ビョオという音が、そこら中から聞こえてくる。
 心もとない明りが風にあおられ、ゆらゆらと揺れる。光が映し出す僕らの影は、まるで踊るかのように蠢いていた。
 僕はすこしでも体温が逃げないようにと、シュラフ(寝袋)に包まれた自分の体を抱き寄せる。
「おい、スティーブ」
 シュラフにくるまれたままのリーダーが僕に声をかけ、イモムシのように近くにすり寄ってくる。そして、体同士を寄せ合って、残り少ない体温を布越しに分け合った。
「どうしました、クリス」
「アーロンの様子は?」
 僕は目を床に落とす。そこには顔面蒼白の仲間が横たわっていた。
 彼は登っている時に滑落し、開放骨折を負った。とりあえずの応急処置はしたものの、リーダーの判断で下山することに決めたのだ。
 そう、僕らは登山をしていたんだ。僕ら3人は元々大学の登山部で一緒だった。そして、社会人になってからも時間を見つけては会っていた。
 ある時、学生時代は悪天候で走破できなかった山脈を走破しようという話になったのだった。というわけで僕らは装備を持って冬山登山に挑んだのだが、中盤まで来た頃にアーロンが滑落、彼が持っていた食料や水は運悪く、全て谷底に落ちてしまった。
 リーダーはすぐさま山岳救助隊に連絡を取ったのだけど、悪天候とヘリの故障のせいで一週間は活動できないと言われた。それで、自力での下山に挑んだのだが、天候の悪化が著しくて、僕らは近くにあったこの山小屋に避難したのだった。
 そこまでは良かった。食料こそないものの、水は雪を解かせば手に入る。寒さは何とかしのげるし、場所は伝えてあるから一週間耐えれば救助が来る。
 ただ、開放骨折は感染症を起こす。それが低体温・低栄養状態では免疫力低下をおこし、なおの事、悪化する。
 アーロンも例外ではなかった。
 何度あるかはわからないけれど高熱を出しているし、何も話さず獣のような息遣いだ。これでは下手すると、敗血症性ショックを起こすかもしれない。少なくとも、すぐに病院へ運ばないと死んでしまうだろう。
「厳しいですね……治療なしだと、あと数日持つかどうか……」
「そうか……救急キットに、治療できるようなものはないんだよな……」
「ええ」僕は首をかすかに振った。「覚悟しておかないと」
 不意に眠気に襲われ、僕はそのままリーダーに寄り掛かって、目をつぶった。

 目を覚ますと、僕は床に寝かされていた。リーダーが僕の方に目を向け、カップに入った雪解け水を手渡してくれた。
「飲んでおいた方がいい。温かいから」
「ありがとうございます」
 僕はカップの中の、味もない水を一口飲む。体中に広がり、凍り付いた体を解かすような温かさが僕を包み込む。
 すると、リーダーが僕の前に来て、首を振った。
「アーロンが死んだ。遺体は取りあえず、シュラフに包んである」
 先ほどの温かさは波が引くように無くなっていき、代わりにとてつもない無力感に襲われる。
 友人を助けることができなかった。難しいことだっていうのはわかっていたけれど、それでも救うことができなかった。他に何かできたかもしれない、なにか別の方法で助けることができたかもしれないのに。
 アーロンの親になんといえばいいのだろう。僕の腕が足りずに死んだと正直に言うべきだろうか、僕らのプランが不味くてアーロンを殺してしまったと、伝えなくてはならないのだろうか。
 それに、彼には妻がいる。あの人になんて伝えればいい、あの人はぬけぬけと生き残った僕らのことを聞いて、なんて思うだろうか。
 そう思うと、僕は何とも居た堪れない気持ちになって、目から涙が零れ落ち、頬を濡らした。涙はすぐに凍り、僕の頬に線を描いた。
「そう……でしたか……」
 リーダーは気丈にも「ああ。救助が来るまで、あと6日くらいだ。それまで、アーロンのためにも生きよう」と言って、励ましてくれる。
 僕は頷いて、リーダーと一緒にまた身を寄せ合った。

広告





 それから三日ほどだろうか、それくらいの時間がたったころ。
 僕ら二人は強烈な飢えから動くこともなく、ただただ横になっていた。腹の虫が鳴くこともなくなり、僕らが唯一動くと言ったら、水を得るために雪を掬いに行くときくらいだった。
「いま、何日目だ」
「わかりません。もう、数えてませんから」
 最近やることと言えば、僕ら二人はたまに声をかけ合い、死んでいないかどうかの確認をするだけだ。
 僕は寝返りをうつ。目の前に、穴だらけ隙間だらけの山小屋の壁がそびえ立つ。
 アーロンが食料さえ落とさなければ、こうはならなかった。それに、あいつから漂うかすかな腐臭が胃をもぞもぞと蠢かせる。
 そういえば、肉は腐りかけがおいしいんだったっけ。そうそう、熟成肉というのもあるらしいし、新鮮な肉よりも腐った肉のほうがおいしいと聞いたことがある。
 僕は残り少ない力を振り絞り、その考えを振り払った。
 だめだ、何を考えている。友人を食うなんて、そんなことを考えちゃいけない。
 でも、その考えはとても魅力的に見えた。飢えている時なら、どんなものだっておいしいと言うじゃないか。空腹は最高のスパイスだとも、言うじゃないか。
 いやいや、そこまで堕ちれば、人としての尊厳がなくなってしまう。
 尊厳がなんだ、威厳がなんだ。飢えの前に、権力なんて意味はないんだ。
「ねえ、クリス」
 僕は壁を見たまま、リーダーに話しかける。リーダーは短い沈黙の後、口を開いた。
「……お前も、同じようなこと、考えてたのか?」
「ええ……焼けば、菌は死にますから。バーナーはありますし、調理器具だって何とかなりますし……」
 長い沈黙。その一秒が過ぎるたび、僕の飢えは酷くなっていった。早くリーダーが決断してくれないだろうか。
「それしか、ないか」
 その言葉を聞いた僕の心は、どこにこんなエネルギーが残っていたのかというほど、狂喜乱舞した。これで、このきつく苦しい、極寒の冬の化身である飢えから解放される。そのことが、僕を奮い立たせた。

 それからの二人は早かった。
 持っていたナイフで皮をはいだり切り取ったりと、動物を解体するようにバラバラにし、フライパンを熱してスライスした肉をこんがりと焼く。
 それを僕ら二人は貪り食う。それが終わると、サイコロ上に切った肉を雪と一緒に煮て、そのスープを飲み込んだ。
 肉は血抜きもまともにしなかったからか恐ろしく獣臭かったものの、とても柔らかくて、人の肉というよりは小鹿のような肉だった。人の肉が固いとか筋張っているとかいったやつは、きっと人の肉を食ったことがないに違いない。
 ある程度食べて飲み、落ち着いたころ。僕はこれまでにない多幸感に満ち満ちていた。食事がこんなに素晴らしいものだったなんて、都会での生活ではわかり得ないことだろう。
 少しして、僕は言いようもない不安と罪悪感にさいなまれ始めた。
 ついに、僕らは自分のためとはいえ、他人を貪り食うという禁忌を犯した。それがどんな目で見られることか、理解できないほど馬鹿じゃない。
 だが、食べなければ、僕らは間違いなく死んでいた。それに、僕らが飢える理由を作ったのも遭難する理由を作ったのも、彼じゃないか。
 それだけじゃない、彼は死んでいた。僕らが食べている動物たちだって、死んだ動物たちじゃないか。何が違うというんだ、死んだ人間を食べるのと死んだ家畜を食べることとの違いはなんだ、どっちも動物じゃないか。
 僕らは生きるために食べているんだ。なぜ、人間を食べちゃいけないんだ。
 そうだ、僕らを冷ややかな目で見る人間たちだって、同じ状況になれば同じことをするに違いない。彼等は口でいくらでも綺麗事を言うけど、それを支えているのは薄っぺらいプライドや習慣化した本能じゃないか。
 それだけじゃない、魚やウサギも共食いするんだ。動物である人間が、共食いをしちゃいけないなんて理由はないじゃないか。
 僕はため息をついた。獣のにおいが胃から這い上がってくる。
 そうだ、僕らは悪くない。これが自然界では普通なんだ。弱った個体や死んだ個体を食べる、それが普通なんだ。
 やっと落ち着いた僕は満腹感と頭を久しぶりに使った疲れから、また眠りに落ちた。

 それから毎日、ちびちびと肉を切っては食べを繰り返し、なんとか生き永らえた僕ら二人は、外から響いてくるヘリの音で目が覚めた。
 リーダーと視線を交わす。僕はシュラフから這い出て、外に出た。
 一週間ぶりの日光が僕の網膜を焼く。その痛みは、僕が生きていることを実感させてくれた。
 遠くに赤と白のカラーリングをしたヘリが見える。
 僕とリーダーは手にしたウィンドブレーカーを、ヘリが近くに着陸するまで大きく振り続けた。

 ヘリの中で僕らは毛布に包まれ、ペットボトルの水や簡易食糧を貰って飲んでいると、レスキュー隊員が近くに来た。
「すいません、あなた方は三人でここに来たんですよね?」
 僕はぎくりとして、リーダーの方に目を向ける。リーダーが言いにくそうに「ええ。でも……一人が死んで、生き延びるためにその遺体を少しずつ食べたんです」と、僕の代わりに答える。
──ああ、これでどんな目で見られるか……。
 すると、レスキュー隊員が怪訝な顔をして、首を傾げた。
「あの……中にあるの、足を骨折してる小鹿の死体なんですけど」
「は?」
 僕ら二人は素っ頓狂な声を上げる。訳が分からない。僕らが食べていたのはアーロンの遺体だったはずだ。
 レスキュー隊員が面倒そうに顔をしかめた。
「だから、死後何日経った小鹿ですよ。それが、綺麗に解体されて、おいてあるんです。人なんか、どこ探してもいませんでしたよ」
 僕ら二人は顔を見合わせる。その時、ヘリの無線から『登山者から遺体発見の連絡。そちらの現在地から数キロも離れていない谷底だ。引き上げることは可能か?』という連絡が聞こえる。
 数キロの地点にある谷底……アーロンが滑落した谷底じゃないか!
 それでやっと、僕はわかった。
 笑いが腹の底からこみあげてくる。まるで、おとぎ話か何かじゃないか。そして、それに必死に弁明しようとするなんて。
 そういえば、極限状態では人間は幻覚を見るんだった。
 リーダーの方に目を向けると、リーダーも笑っていた。笑いが止まらない、こんなひどいことがあるだろうか? 僕ら二人はとんでもない馬鹿のエゴイストだ。そして、弁明する必要もないことに、なぜ必死になって弁明する必要があったんだろう!
 その無意味さに、追い詰められた人間の狂気に、僕らは笑いが止まらなくなってしまった。こんなことがあるなんて!
 あきれ返った顔のレスキュー隊員がヘリに乗り込み、ドアを閉める。僕ら二人の笑い声は、上昇するヘリのローター音にかき消された。

広告





 

【R-15】遭難 へのコメントはまだありません

ループ 2017年8月18日


 見えないものが見えるようになった彼。それに恐怖し、彼はカウンセラーのもとへ相談に行くが……。

広告





 僕は最近見た映画に出てきた俳優に似ている初老のカウンセラーと、椅子に座って向かい合っていた。正確には、僕はソファに座っていたのだけれど。
「今日はどうされましたか?」
 カウンセラーが僕に問いかける。僕は意を決して、今まで体験したことを話すために口を開いた。
「変なものが……幻覚っていうんですか、そういうのが見えるんです」
「どのような幻覚ですか?」
「例えば、前を歩いていたはずの男性がいきなり消えてしまったり、首だけが空をふわふわと浮いていたり……おかしいですよね」
 カウンセラーはノートに筆を走らせる。
「その男性や首は、どのような姿ですか? 親戚の叔父さんやずいぶんあっていない祖父、若しくは亡くなってしまった曽祖父だとか」
 その質問に僕はびっくりした。親に言えば、「お祓いでも行ったら」と言われて蔑ろにされ、友人に言えば、「おかしいやつだ」と言われて距離を取られたというのに。
「あなたは私のことを疑わないんですか? こんな、変なことを言っているのに」
 彼はペンを置いて、首をかしげる。
「そうですね、少なくとも貴方には見えているが、私には見えていない。ということは、貴方の心の中にそのような何かがある、ということです。そして、私の仕事はそれと向き合えるように、貴方をサポートすることですから」
「そうでしたか……」僕は口にたまったつばを飲み込んだ。その言葉に救われたような気がした。「いえ、見たことのない人ばかりです」
 彼は頷き、何かを書きつける。
「では、最近読んだ小説や映画に、そのような登場人物が出てきたということはありませんか?」
 僕は首を振る。
「いえ、ありません。僕は洋画と洋書が好きですけど、出てくる幻覚はみんな日本人みたいな顔をしてますから」
「いつごろから見え始めましたか?」
「そうですね、つい最近まで一人暮らししてたんですけど、親から『帰ってこい』と言われたので、実家に帰ってきたあたりからですね」
 彼は首を傾げ、僕が一番して欲しくない質問をした。
「ご両親とは仲がいいですか?」
 僕は口をつぐむ。実は、親との仲は良くない。
 周りのみんなから「親と仲良くしないのは親不孝者」と言われ続けてきたけれど、どうやっても親と仲良くできなかった。子供のことはいつも成績のことで叱られてきたし、大学では「学費が高い」と常々言われ続けてきた。働き始めてからも、「金が足りない」と言われてきたから、給料の一部をいつも仕送りしてきた。
 それだけじゃない、もっとある。でも、思い出したくない。
「いえ……あまり」
 彼は頷き、またノートに書きこんだ。
「そうでしたか。家族構成をお聞きしても?」
「ええっと、母と父、あとは兄がいます。でも、高校生の頃に兄はどこかに行ったっきり、連絡が取れなくなってしまって」
「その時、貴方は何か思いましたか? 例えば、寂しいとか」
「いえ……兄との仲は良くなかったので、あまりそうは思いませんでした。むしろ、清々したというか、そんな感じです。でも、それから母と父は仲がもっと悪くなって……」僕は嫌な思い出を振り切るように、首を振った。「それからすぐ、僕は地方の私立大学に行って一人暮らしを始めたんです」
 彼は納得したように頷く。
「話は変わりますが、幻覚の中の『彼ら』は貴方に話しかけてくることがあるのでしょうか?」
「えっと、『君は悪くない』だとか『親がよくなかったんだ』だとか『ゆっくり生きるんだよ』だとか……ポジティブのことばかり、言ってくれるんです。でも、僕が目をそらすと、『彼ら』は居なくなってしまうんです」
「なるほど。子供のころに、そのような存在がいたことはありませんか? つらいときに励ましてくれるような存在です」
「いえ、いませんでした。友達もあんまり多くなかったですし、先生からも距離を取られていましたので」
「分かりました」彼はペンを置いた。「貴方はもしかしたら、虐待を受けていたのかもしれませんね」
 そう言われ、僕は驚いた。そんなこと、思ったこともないからだ。
「えっ?」
「この場合は心理的虐待というべきでしょう……常に叱られ、親同士の喧嘩を見せつけられる。それによって、貴方は自尊心を傷つけられながら、極度なストレスに晒されたのです」
 彼は座る姿勢を変え、僕を見据えた。
「ですから、そのような状況を改善できるようにしていきましょう。それで、きっと貴方にしか見えない『彼ら』は、また居なくなってしまうと思います」
 そんな希望に満ちた言葉を言われたことなんてない。僕は思わず、頭を下げた。
「ありがとうございます」久しぶりに笑ったせいで、ちょっとぎこちない笑顔になった。「治るかもしれないんですね」
「ええ、また来週、ここに来てください。もうすこし、いろいろ聞いてみないといけないことがありますので」
 僕は立ち上がって、改めて頭を下げた。
「もちろんです。ありがとうございました」
 彼もにっこりと笑う。僕も彼に笑い返した。

広告





「──で、患者の様子は?」
 私は看護師とともに、モニターを眺めていた。それは部屋につけられたカメラから、画像をリアルタイムで送ってくる。
 ここの精神病棟では、このように患者と医者が必要以上に触れないように配慮されている。というのも、ここに来る患者のほとんどに自閉傾向がみられ、自分の世界を壊されるのを嫌がるからだ。
 それに、医者側や看護師側も怪我するようなリスクが減る。尤も、彼は攻撃性がほとんどないどころか、調子のいいときは社交的なのだが。
「改善の様子はありませんね。彼、なんでしたっけ」
「妄想型統合失調症だ。投薬は続けているのか?」
「とりあえずは。ですが、目立った効果はありません」
 彼がモニターを指さす。
「面会用の椅子を自分の前に設置し、ベッドに座りながら、居もしないカウンセラーといつも話し続けています。で、話疲れたらそのままベッドに横になって、目が覚めたらまたカウンセラーと話しています」
 私はため息をついた。妄想型統合失調症は投薬の効果が出やすいはずなのに、彼は慢性化してしまった。唯一、暴れることがないのが幸いか。
「食事はしっかり出しているのか?」
「ええ。食べているときはまともというか……私も食べているときに彼と話をするんですが、とても思索的で知的です。よく、映画の話とかするんですけど」
 きっと、それが本当の彼だろう。だが、妄想型統合失調症を患った人格が、その彼を押さえつけてしまっている。
「食べているときはまともか……。解離性障害のせいだな」
「彼、治るんですかね?」
 看護師が問う。私は「わからん」と言って首を振った。
「どうして、ここに来たんでしたっけ?」
「他人の家に入り込んで、ここと同じことをやった。で、通報されて警察が来たんだが、この通りだから責任能力がないとみなされ、ここに来たんだ。まあ、椅子の配置が変わっていたくらいで、家もほとんど荒らされてなかったらしい」
「そうでしたか……」
 私はまたモニターを見る。彼は、椅子に向かって話し始めていた。
──彼は常に日常をループしている。彼の日常は、ここにしかないということか。
 声がスピーカーから流れる。私と看護師は、別の患者を診るために部屋を後にしようとドアに向かう。
『変なものが……幻覚っていうんですか、そういうのが見えるんです』
『例えば、前を歩いていたはずの男性がいきなり消えてしまったり、首だけが空をふわふわと浮いていたり……おかしいですよね』
『あなたは私のことを疑わないんですか? こんな、変なことを言っているのに』
 ドアを閉めるまで、彼の言葉は空虚な部屋に響き続け、部屋の中を巡り回っていた。

広告





 

ループ へのコメントはまだありません

[体験談]金縛りレポート その1 2017年8月6日


〇お読み頂く前に

これはぐおじあが金縛りに遭った体験を記したものです。
体験した事無い方や、他の方体験とは感じ方が異なる恐れがあります。
広い心をもってお読み頂く様お願いします。

ぐおじあはお祓い等を受けることは望んでおりません。
霊媒師の方は営業をお控えください。
※ホラー屋がお祓いなんて受けたら商売上がったりですよ

広告





〇金縛りとは

睡眠時等に急に体が動かなくなる現象。
医学的には睡眠麻痺と呼ばれる(Wikipediaより抜粋)
※金縛り自体は医学的に認知されている現象である

〇はじまり

小学5年生くらいの頃、兄と友人と近くの廃寺に心霊ツアーに行った。
その日の帰り道、最後尾の僕の後ろから足音が聞こえた。
その足音は僕らの後ろについて来る様に動いていた。
僕は怖くてたまらなくなり叫びながらダッシュした!
兄と友人もつられて逃げたが、二人は僕よりも足が速かったため、
僕だけ置いて行かれる形となった。

その後無事帰宅した僕は友人と別れ兄と寝室に戻った。

寝入ってどれくらい経ったろうか…
ふと目が覚めた僕は寝がえりを打とうとしたが体が動かない!

これが僕の初めての「金縛り」だった

しばらく恐怖でもがいていると、
今度は空中から腕が一本生えて来て僕の服の襟を掴んできた。
恐怖でうめきながら必死に抵抗していると…

「うるせぇ!」

2段ベッドの下で寝ていた兄が怒鳴った!
途端に金縛りは解け腕からも解放されていた…

〇金縛りで起こる事と大体の割合

1. 体が動かない(100%)
2. 何か音が聞こえる(50%)
3. 何かが現れる(20%)
4. 首を絞められたリ掴まれたりする(20%)
  ※姿が見えない時もある

広告





〇金縛りの解き方

金縛りは全身が麻痺してると思われがちだが、
指などの末梢部分は少し動く事が多い。
何度も動かしていると徐々に腕→方の様に部分的に解けていく。
半身が動くようになったあたりで一気に体と動かすと解ける。
※ただこの動作は異常に疲れるのでぐおじあは基本やらない
※体を大きく動かしても解けない場合は自分にビンタする

〇金縛り→明晰夢への移行

金縛りは要は意識が覚醒しつつの睡眠状態。
無駄な抵抗をせずにまったりしていると明晰夢となり、
金縛りがかかった景色から明晰夢に入れる。
ぐおじあは大抵建物から建物に飛び移って遊んでいるが、
景色は基本的にリアルとはだいぶかけ離れている。
※明晰夢 : 夢の中で自分が夢を見ていると分かっている状態
※明晰夢時は興奮し過ぎるとすぐ醒めるので注意

〇エロい金縛り

時々怖い話で出てくる夢魔的なエロい体験は
金縛り由来のモノだと考える。
金縛り中は五感はほぼ機能している(と感じる)ため、
色々な感覚を味わえることがある。
基本的には息苦しいモノが多いが、
人に抱きつかれている様な感覚になったり、
色々体中を弄られているような感覚に陥る。
時には敏感な部分にもその感覚がくるので、
「幽霊にエロい事をされた」と感じると思われる。

〇まとめ

1. 金縛りは生理現象なので特に怖がる事はない。
2. 怖いと思うと変なモノが出てきやすくなる。
3. 逆転の発想で楽しむと意外にエンターテイメント☆

〇あとがき

金縛りは怖いと思われがちですが、
慣れてくると色々な非日常が味わえて楽しいです。

が…

僕もかなり怖い目にも遭って来たのでその辺はまた次回以降に(゜ρ゜)b

広告





[体験談]金縛りレポート その1 へのコメントはまだありません

【R-15】インタビューアー 2017年8月5日


とある町で起きた最悪の殺人事件、『ナイトレーヴェン事件』。ある記者がその当時のことを、すでに引退した担当刑事に聞きに行く。だが、そこには真実が隠れていた──。

広告





【注意】この小説には過激な表現が含まれています。15歳以下の方は閲覧を控えるよう、お願いいたします。

 とある週刊誌の記者である私は、十数年前に発生した『ナイトレーヴェン事件』を振り返るという企画の元、その当時の担当刑事に話を聞きに来ていた。
 ナイトレーヴェン事件、別名、闇夜のカラス事件。10年間で130人が殺された事件だ。
 犯行は必ず新月の日の深夜、娼婦がこの地域一帯で場所を問わずに狙われた。手法はまず、後ろから頭を殴りつけて気絶させてから、人気のない路地裏へ引きずり込む。そして、足と手を──手は身体の前で合掌させてから――ダクトテープで縛りつけて、被害者を祈るように跪かせ、眉間を38口径で撃ち抜く。
 これだけ見るとただの猟奇殺人だが、特徴的な点として無造作に捨てられた遺体の髪にはカラスの風切り羽根が必ず挿されており、それがナイトレーヴェン(ワタリガラス)の由来になっている。
 ナイトレーヴェンに対して、当時最高峰の科学技術やプロファイリング技術、そして延べ何万人もの警察関係者が投入された。徹底的な聞き込みやマスコミを利用した情報提供の呼びかけ、目撃者の捜索などなど……彼らの労力は相当なものだった。
 しかし、彼はまるで闇夜のカラスのように見つけることはできなかった。
 だが、十数年前、彼の犯行はぴたりと止んだ。死んだという説や引っ越したという説が唱えられたが、どれも確実性に劣る仮説で、ナイトレーヴェン事件は少しずつ民衆の中から忘れ去られていった。

 私は思考の中から戻り、前に座っている老人に意識を向けた。彼は当時の担当刑事で、今でも独自に調べ続けているとの話だ。その熱意には、感心するほかない。
──初めまして。私はエイドリアン誌のテッド・リー・ルーカスと申します。
「初めまして、ルーカスさん。私はロバート・ウェブスター、ロバートと呼んでいただければ十分です」
 80代とは思えないほど、しっかりとした声と姿勢。これなら、話しかけるのも気を使う必要──尤も職業柄、人が聞きやすい話し方には慣れているが──はないだろう。私も年を取ったら、こんな風にしゃんとしていたいものだ。
──ロバートさん。これからインタビューをしたいのですが、ICレコーダーで録音することとメモを取ることを許可して頂けますか。
「もちろん」
 そういって、彼は微笑む。私はICレコーダーとメモ帳をポケットから取り出し、レコーダーを机の上においてスイッチを入れてから、メモ帳を開いてペンを持った。
──では、これから始めさせていただきます。
「ええ。何から話しましょうか。あの恐ろしいナイトレーヴェン事件の、何をお聞きしたいのでしょうか」
──そうですね……警察は、どこまでつかんでいたのですか。ナイトレーヴェンについて、どんな犯人像を描いていたのでしょうか。
 彼は私の質問に静かに頷き、言葉を選ぶように目を泳がしたあと、口を開いた。
「まず間違いなく、奴はシリアルキラーでしょう。サイコパスであり、洗練された手口から考慮して、当時30代半ばの知能指数が高い人間だったのではないかと。また、一種の狂信者だったものと思われます」
 狂信者というのは当時の資料になかった。私は興味を惹かれ、もう一度聞きなおす。
──どうして、そう思うのですか。なぜ、狂信者と。
「奴は娼婦だけを狙った。娼婦を狙う人間はいくつかのパターンに分けられます。
まずは社会的弱者を狙うほかない人間。この場合はホームレスやジャンキーも含まれますが、奴は娼婦だけを執拗に襲った。つまり、この可能性は低いのです。
 次に女性へのトラウマを持つ人間。ヘンリー・リー・ルーカスや、サイコパスとは異なりますがテッド・バンディが良い例です。前者は売春婦であった母親のヴィオラが狂人で、性的虐待を受けていた。後者は交際していたが破局した女性によく似た女性を狙った。これらは女性関係でトラウマを持っていたために、女性を狙い、残忍な方法で殺した。だが、奴は女性を狙うのは確かだったが、殺し方は残忍といいがたい。
 そして、性的不能者。自らの性欲を殺人という形で発散するタイプの人間です。その場合、刺すという行為を性行為と考えるために、彼らはナイフを用いて殺人を犯します。だが、奴は一度もナイフは使わなかった。
 そうなると、最後の可能性……自らを神の使いだと考え、神の意志に従っているという狂信者の可能性があるのです」
──だから、狂信者だと。
「ええ。奴は娼婦という存在が許せなかったのでしょう。実際に、キリスト教では妊娠目的以外の性行為を認めておりませんし、奴はまた処刑スタイルと呼ばれる、眉間を撃ち抜くやり方で彼女たちを殺した。ですから、私たちは熱心に日曜のミサへ行く信心深い人間を中心に調べを進めました。また、神学校を卒業した人間もその中に入れました」
 私はメモにそのことを書きとる。面白い視点だ。
──では、カラスの風切り羽根は一体。
「奴は狂信者であり、演出家なのです。カラスにどのような意味があるか、ご存知でしょうか?」
──不吉な存在、悪の使いという解釈がありますね。
 彼は首を振った。
「確かにそれもあります。しかし、奴は自らを『神の使い』だと考えたのです。ギリシア神話、北欧神話、ケルト神話、旧約聖書……カラスが神の使いとされている神話や宗教は、意外と多いのですよ」
──興味深いですね。自らを『神の使い』と考えるなんて。
 私は彼に失礼だとは思いながら、義足の付け根を擦る。たまにここが痛んで、擦らずにはいられないことがある。全く、十数年前の事故を未だに引きずることになるなんて。
「ええ。自らは神の使いであり、現世から不浄なものを始末している。それが奴の持つ妄想なのです」
──なるほど。
 彼は神妙な面持ちで頷く。参考になる話は十分に聞くことができたし、この話はこれくらいでいいだろう。
私はメモを捲り、用意していた質問を読み上げた。
──興味深いお話、ありがとうございます。では、今、彼は何処にいると思いますか。
 その質問に、彼は顔をしかめた。
「難しい質問ですね。どうして、十数年前から事件を起こしていないのかも分かりませんから……とはいえ、近くに居るものと思われます」
──どうしてですか。
「奴の犯行場所から割り出した地理的プロファイリングでは、奴は地元の人間です。また、ここは治安があまりよろしくない。犯罪者には格好の隠れ場ですし、標的も多く居る。奴は自信家ですから、警察は捕まえられないと考え、慣れたこの場所にとどまっているものと、私は考えています」
──死んだ可能性は考えないのですか。
 そう聞くと、彼は笑った。だが、すぐに「失礼」といって、真顔に戻った。
「もし、奴が死んでいたとするなら、遺品整理の時に大量のカラスの羽が家にあるという通報が来ることでしょう。『動物虐待ではないか?』という通報が」
──なるほど、そのような通報はなかったのですね。
「ええ、今まで一度も来たことはありません。奴のカラスの羽はすべて生きたカラスからむしり取ったもので、家にはその痕跡が残っていることでしょう。で、それを見た親族が何を考えるか、容易に想像がつきます」
──興味深いですね。とはいえ、彼がどうして犯行を止めたかはわからない。
 私はそう言いながら、義足の付け根をさする。
「ええ。私は交通事故か何かで、体の自由を奪われたのではないかと思っています。それで、天から与えられた任務を果たせなくなった。もちろん、同僚の中には死亡説を唱える者や引っ越しして別の場所で殺し続けていると考える者もいますが、あくまで私はそう考えておりません」
 私はメモ帳にそれらのことを書きとめる。
──ありがとうございます。
彼はにこやかに笑い、「いえいえ。このような犯罪が、記憶に埋もれてしまうのはよろしくありませんから」と言った。

広告





──では、最後に。一つお聞きしたいことがあります。オフレコでもよろしいですか。
「ええ、構いませんが……何でしょうか?」
 彼は私の質問に快く答えてくれた。そのお返しをしないといけない。
 私はICレコーダーを切り、メモ帳とともにポケットにしまった。そして、椅子から立ち上がり、ポケットから.38スペシャル弾を装填した小型のリヴォルヴァーを取り出して彼に向けた。
 それは、130人の命を吸った拳銃。
 そして、131人目の命を吸い取るであろう拳銃。
 彼がまるで化け物を見たかのような、口をポカンと開け、目を落ちんほどに見開いた顔で私を見る。
 こんな顔を見たのは、私が母親に銃を向けて殺した時以来だ。あのクソアマは、無力で男に体を売るしかなかった自分ではどうにもできないフラストレーションを私にぶつけ、それでストレスを発散していた。
 それだけじゃない、あのイカレポンチは実の息子である私すら金儲けの道具にした。全く、あれがいなければ、私はもう少し幸せだっただろう。尻のヴァージンもまだ守られていたかもしれない。
「まさか……」
 人間というのは面白いもので、銃を向けられていると体が硬直するらしい。全く共感はできないが、そういうものなのだろう。
──ええ、私がナイトレーヴェンです。あなたの捜査は素晴らしい。一つも、外れていなかったのですから。
 彼が「記者だったのか?」と声を絞り出す。
──死にゆくあなたにはお答えいたしましょう。いいえ、私は記者ではありませんでしたよ。とある方が『快く』私に身分を貸していただけたのでね。本職は司祭ですよ。
 ナイトレーヴェン事件の真相を知りたいというネタを流して、のこのことついてきたエイドリアン誌の記者には感謝しなくてはならない。尤も、彼は私の感謝の言葉を聞くこともできなければ、返事をすることもできないだろうが……。それに、そろそろ角膜が白濁して、私の顔も見えなくなっている頃だろう。
「君は神のもとに生きるのではないのか?」
 私に対して神の教えを説くとは。思わず、私は笑ってしまった。
──申命記22章では、処女でない女はすべて死刑にするべきと。私は神に従い、代行しただけです。
 彼は力なく首を振る。
「だが、モーセの十戒では『汝、殺すなかれ』と……」
──『汝、罪のない人間を殺すなかれ』ですよ。姦淫は罪であり、死に値するのです。
「君は何故、十数年前に殺しを止めた? そして、何故また始めようとしているのだ?」
 私は頬の筋肉を引き上げた。
──神が私に交通事故という試練を課し、それに十年ほど取り組んでおりましたのでね。二番目の質問には、世の中には不浄が多すぎるから……そうお答えしておきましょう。神は私に世の中を浄化せよと告げたのです。
 彼はため息をついた。
「確かに、君は狂信者のようだ」
──誉め言葉を、どうもありがとう。
 乾いた銃声。久しぶりに感じるリコイル。崩れ落ちる刑事の亡骸。
 近寄って眺めると、生きていた時とは全く違う、力の抜けた遺体があった。これで、神からの使命を妨害しようとした異教徒は、神の祝福によって居なくなった。
 しかし、亡骸がまるで糸の切れた操り人形だ。確かに私が彼を20年近くも操り、捜査をかく乱したことは間違いようもないことだが……まあいい、用の済んだ人形は片付けなければ。
 私は漂白剤を探すため、物置に向かう。今夜どこで肉欲に塗れた異教徒を探そうか、そんなことを考えながら。

広告





 

【R-15】インタビューアー へのコメントはまだありません