スパークリングホラー
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[怖い話]第10話 疲れ目 2017年12月11日


これはぐおじあの体験談…

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最近疲れ目です。

ふとした時に変なモノが見えます。
壁にかけてあるスーツをふと見た時にはこんなモノが…


※画像はイメージです

休息は大事です_ノ乙(、ン、)_

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[怖い話]第10話 疲れ目 へのコメントはまだありません

2017年11月26日


極寒の中、娘の誕生日に向かった彼は川に架かる橋の上で酷い渋滞にはまる。だが、その橋は車の重みに耐えきれず……。

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 あの日は今でも覚えている。忘れようにも、忘れられないあの日のことを。
 私がこのことを綴る意味は治療の一種なのだそうだ。正直、効果があるのか懐疑的なのだが……カウンセラーが言うのだから、そうなのだろう。
 あれは寒い、寒い夜のことだった。身を切るような寒さ……いや、切られたのは身だけではなかったのだが──。

 厚い強化ガラスに阻まれても聞こえる、けたたましいクラクションがそこら中で鳴り響いていた。私は騒音と渋滞からくる苛立ち、約束に間に合わないのではないかと言う焦り、両方に苛まれて車のハンドルを指で叩いていたのを覚えている。
『──町では氷点下20℃を記録し、地元の水道局は水道管の凍結防止のために、水を流し続けることを推奨しています。また、電線への着氷により停電した地域への支援を行うと、政府は発表しました』
 ラジオからニュースが流れ、私はラジオの時計を見た。娘の誕生パーティまで、あと30分ほどしかない。この橋から家までは、運が良くても車で20分はかかるというのに。
「勘弁してくれよ……」
 ハンドルを叩くテンポが上がっていった。この橋がこんな風に渋滞するなんて珍しかった。ラジオ曰く、橋の出口で玉突き事故が起きて、その交通整理で渋滞しているとのことらしい。
「にしても、動かないな」
 回転する赤色灯がそこら中を赤く染め、私は車の暖房を強めた。
 その時、聞いたこともないような音が上から聞こえた。まるで──そんなことできる人間がいればの話だが──電線を両方から引っ張って、引きちぎったかのような音。
 風切り音。金属がひしゃげ、ガラスが飛び散る音。盗難警報。そして、悲鳴。
 シートに座ったまま、素早く辺りを見回した。
 すると、ドアミラーに信じられないものが見えた。自分の車からそう遠くないところに、何かに押しつぶされた銀色のセダンがあったのだ。それも押しつぶしたものは未だに左右に揺れている太い紐、橋を支える重要なケーブルの一本だった。
 その光景はあまりにも現実離れしていて、呆然と見つめるだけだった。
 また、あの引きちぎったような音が聞こえて音の方に目を向けると、黒いバンがケーブルとぶつかった勢いで高欄から飛び出したのが見えた。
『速報です。マーキュリーブリッジで、ケーブルが切れたという報告が入りました。近隣の住民及び橋の上にいる方は、すぐに退避してください。崩落の恐れがあります』
 ラジオから緊張したMCの声が聞こえ、それと同時に、またしてもケーブルが切れる音が聞こえた。
──逃げないと。
 そう思った私は先程とは打って変わって素早くドアを開け、出口に向かって走った。今思えば、娘のプレゼントを車の中に置きっぱなしだった。とはいえ、あの時はそんなことを考えている暇もなかったのだが。
 他の車から降りた人たちも出口に向かって走っていた。ある人は子供を抱きかかえながら、ある人は妻と思わしき女性の手を取りながら。
 橋の上は阿鼻叫喚の様相を呈していた。悲鳴がこだまし、ともかく逃げることだけが一番で、暗くてよく見えないものの所々に水たまりのような何かが見えた。
 その時、ケーブルの切れる音が連続して聞こえ、私の数メートル先の一団に直撃した。この時、出来れば一度も聞きたくなかった『ある音』を私の耳は初めて聞いた。
 その音と金属がひしゃげる音、悲鳴が入り混じって耳の中で反響し、私は吐き気を催して足を止めた。
 間髪入れず、後ろから悲鳴と車がぶつかり合う音が聞こえてきた。振り向くと、目を見開いて半狂乱になった中年の男が、SUVのハンドルを握り締めて渋滞の中を突き進んでいた。車のバンパーは見えず、ボンネットには赤黒くペイントがされ、凹んでいたように見えた。
 その車がほかの車にぶつかるたびに、また聞きたくもない音が耳に届き、甲高い悲鳴が聞こえてきた。
 すると、SUVの前方にあるアスファルトが、岩の割れるような音とともに盛り上がったのが見えた。だが、車はそれに気づかないのか間に合わなかったのか……真正面からぶつかった。空しくタイヤが空回りする音とともに、ぐるぐると回転しながら高欄から飛び出して闇に消えてしまった。
 その時、私の耳に「助けて」という声とガラスと叩くような音が聞こえたような気がした。
 辺りを見回すと、そう離れていないセダンの後部座席に娘と同じ年頃の少女が閉じ込められているのが見えた。そのセダンはいつの間にか切れていたケーブルに弾き飛ばされた自動車にぶつかられたようで、側面が凹んで彼女がいるドアの下には滴ってインクだまりが出来るほどべっとりと赤黒いペンキが塗られていた。
 駆け寄ると、彼女がリアガラスを平手でたたいていた。私はトランクルームのドアノブを引っ張ったが、びくともしなかった。ドアを開ける中の機構が壊れてしまったのだろう、これではガラスを割る以外に方法はない。
「少し待っていてくれ」
 以前、テレビで強化ガラスは尖ったもので割れると聞いたことがあった。私は崩落したアスファルトの近くへ走り、欲しいものをすぐに見つけた。少し大きめの、鋭く尖ったアスファルトの欠片だ。
 それを手に持ち、セダンに駆け寄り叫んだ。
「伏せてろ」
 リアガラスに尖った欠片をたたきつけた。二回叩いただけで、ガラスは砕け散った。
「出るんだ、急げ」
 彼女が手を伸ばす。私は手をしっかり握り、引きずり出した。二人が無様に橋の上に転がり落ちたが、私は橋の軋む音が少しずつひどくなる事の方が不安だった。この音が本格的に崩落する予兆なのは間違いないからだ。
 荒い息遣いのまま、彼女が途切れ途切れに「ありがとう、おじさん」と軋む音にかき消されそうなほど小さな声で呟く。私が頷くのも忘れて「立てるかい?」と早口で聞くと、彼女は頷いた。
「よし、早く逃げるんだ。時間がない」
「うん」
 彼女が立ち上がるのに手を貸し、二人で手を繋いだまま橋の出口に向かって走った。周りにはほとんど人がおらず、けたたましい盗難警報器の音と橋が軋んだりこすれたりする耳障りな音だけが響いていた。

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 しばらく走ってパトカーや救急車が止まっている出口が見えてきたころ、今まで聞いたことの無いような音が聞こえ、ふと足場が無くなったか自分の体が浮いたような感じに襲われた。空っぽの胃から胃液が口にせりあがってくるような──思えば、あの時はのどの渇きも忘れていた──感覚、陰嚢がせりあがるあの感覚、その二つに襲われた。何とか地に足をつけようと力を入れると、足が宙を切る。嫌な予感がして下を見ると、橋桁が斜めになっていた。
 振り向くと、橋は黒い水を湛えた極寒の地獄に餌を与える漏斗のように、川に落ちていた。
 橋桁に彼女と一緒にたたきつけられた。その衝撃で手を放してしまいそうになったが、私は彼女の手を放すわけにはいかなかった。橋の下に待ち構えているのは地獄だ。私の娘と同じような年頃のこの子を、地獄に送り込むわけにはいかなかった。
 悲鳴が聞こえて彼女の方を見ると、寒さのせいで突っ張っていた口の端が切れて、血がにじんでいた。背中がアスファルトとこすれ合うのを感じ、自分が少しずつ滑り落ちていると気づいて近くの車のホイールに指をかけたが、あの時は車も一緒に滑り落ちていたからなのだろう、いくら力を入れても私たちは滑り落ちていった。川まであと十何メートルもなかった。
 その時、橋桁にできた割れ目を見つけ、何とか手をかけた。これでようやっと、滑り落ちることはなくなった。殆ど時間を置かず、先ほどまでしがみついていた車は派手な水しぶきを上げて、川へと滑り落ちていった。
 だが、寒さと二人分の重さを支える疲労で、私の腕は悲鳴を上げ始めた。
 このままでは、そう時間もかからず二人で極寒の川に滑り込むことになるだろう。しかし手を放せば、もう片手を使って自分の体を持ち上げれば、助かるかもしれない。
 だが、彼女を殺すことになる。
 逡巡している間に、指が一本、また一本と私の意思を拒み始めたのを感じた。
 今動く指は二本だけ。もし不意に放してしまえば、息も吸えずに冷たい水の中に入ることになり、おぼれ死んでしまうと考えていたのを覚えている。
 私は覚悟を決め、彼女に向かって叫んだ。
「息を吸い込んで、止めるんだ」
 彼女が息を吸い込んで、口を閉じる。それを見て、私も同じように肺一杯に冷たい空気を吸い込んだ。その空気はあまりにも冷たく、喉が切れそうなほどだった。
 そして、私は力を抜いた。

 結局、私たちが警察のボートによって水から引き上げられたのは、二人して川に飛び込んでから15分後だったそうだ。私たちは低体温症をおこしていて、すぐさま救急搬送されて手当てを受けた。だが、手当の甲斐なく、彼女は助からなかった。彼女の体にとってはあまりにも冷たすぎる川の水は、彼女を地獄に引きずり込んでしまったのだった。
 今も彼女の最後の顔を、ポートフォリオを描けるくらい覚えている。しかし、彼女のあの顔を見ることはもうできないのだ。
 私を苛むものはまだある。回復してから、私は警察に簡単な事情聴取を受けた。そこで聞いたのは、彼女の親のことだった。
 警察が川の底を浚うと、老若男女問わない遺体とともに彼女の母親と思わしき遺体が出てきたそうだ。思わしきということはつまり、体の上半分が見わけもつかないほど潰れていたから、指紋で照合するのがやっとだったからだそうだ。
 たぶん、あのセダンについていたペンキは、彼女の母親の血だったのだろう。そして、ドアの前に付いていたということは、彼女を助けるためにドアを開けようとしたところを、ケーブルに襲われてしまったということなのだろう。
 次いで、父親のことも聞いた。父親は今から数年前に、病気で亡くなっていたのだそうだ。だから、彼女は母親しか身寄りがなかった。
 なのに、その母親が目の前で死んだ。
 彼女に聞くことはもうできない。だが、彼女は一体何を考えていたのだろうか。それを思うと、私は夜も眠れなくなってしまった。
 それに、私は結局彼女を救うことができなかった。娘と同じ年頃で将来の夢を抱いていたあの時に、彼女は命を奪われた。私にもう少し力があれば、彼女を救うことができたかもしれない。警察のボートが到着するまでしがみつけていれば、彼女は死ななかったかもしれない。
 かもしれない、かもしれない。可能性が私を苛む。苛んで苛んで、私はもうまともではいられなくなってしまった。
 妻や子供はそんな私を支えてくれる。けれど、私は二人を見るたびに、彼女とその母親のことを思い出してしまう。文字を紡ぐたび、目を動かすたびに、彼女の面影が私の目の前をよぎる。
 私は今もあの橋にいるのだ。つりさげているケーブルが切れて子供を殺した私が地獄に落ちるのは、何時になるのだろう。

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橋 へのコメントはまだありません

[怖い話]第09話 真夜中の追跡者 2017年10月30日


これはぐおじあの知り合いの体験談…
※記憶が曖昧な部分は多少創作が入ってます

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OLのAさんはある時残業で終電となってしまい、
急いで家路についていた。

最寄りの駅で電車を降り、徒歩で10分程の家まで歩く。

歩いていると誰かにつけられている気がした…

Aさんの家は都市部にあるため、
深夜の時間帯でもそれなりに人が多い。
振り返っても特に怪しい人は居ない。

でも、つけられている気がする…

Aさんは足早に帰宅し、
誰もついて来ていない事を確認して玄関のドアに施錠した。

翌日も朝早く仕事に行かないといけないため、
早々にお風呂に入り床に就く準備を整えた。

ベッドに入りサイドテーブルのライトを点けようとした瞬間、
Aさんの横に体育座りをした半裸の中年男性が居た。

その後のAさんの記憶は朝まで無い…

「あの時は残業続きで疲れていたからね~」
と、Aさんは笑いながら夢を見ていたと言っていた。

p.s.

僕はコレをいつかゲーム中で再現したいと思っている☆

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[怖い話]第08話 おばぁちゃん 2017年10月29日


これは社員のまめこさんの体験談…

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高校生だったある日のこと…

母は仕事で夜いない日が月に何回かあった。
兄は怖い話や怖いテレビに映画怖い物が大好きだったのだが、
その流れか母のいない日にプチ肝試しをすることがあった。

兄は免許も車もあったため車で山に出掛けていた。
と言っても近くの山道を行く程度なので一周20分程。

いつものように肝試しに行く。

いつも何も起こらない。

山道を抜け集落に入りまた山道というところで
おばぁちゃんが畑にいた。

もう暗いのになにか採りに来たのだろうか。

私は何気なく

「おばぁちゃん大丈夫かな。もう暗いからあぶないよ。」

と言ったら、兄が

「え?だれもいなかったけど・・・。」

私は考えるのをやめた。

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[怖い話]第08話 おばぁちゃん へのコメントはまだありません

2017年10月27日


 日常に違和感を覚えた彼は、ふと入った化粧室の鏡を見て驚愕する。そこに、写っていたものとは。

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 けたたましい目覚まし時計の音に目を覚ます。時計を手に取って見ると、今は八時半。
 遅刻確定だ。いつもなら、八時には家を出ないといけないのに。
「やべえ」
 慌てて服を着替え、鏡のない台所で歯を磨いて濡れたタオルで顔をぬぐう。朝飯を食べる時間もないし、髪も手櫛で適当に整えればいいだろう。なにより、今日は重要な取引先との商談がある。その準備を急いで終わらせて、身支度を整えればいい。
 そんなことを考えながら、カバンの中を確認する。
──よし、必要なものは全部入っている。
 カバンの取っ手を掴み、俺はドアのかぎを開けて外に出た。次の電車に乗れれば、何とか間に合うだろう。
 10分かかるところを8分で駅につき、息を切らしながら上を見ると、ふと気になったことがあった。いつもなら、上り線は右にある2番ホーム──この駅は線路が二本しかない島式1面だ──のはずなのに、今日は左にある1番ホームだった。
「おかしいな……」
 駅員さんに聞いてみようかと思って周りを見渡すが、相変わらずここの駅は人がいない。そうこうしているうちに、電車が来る趣旨のアナウンスが鳴り響く。
 目の前に電車が止まり、俺は乗り込む。車内はガラガラで、人影は両隣の車両にも見えない。これなら、椅子に座れるだろう。
 しばらくスマートフォンを弄りながら電車に身を任せていると、上司から電話が来た。そういえば、遅刻すると連絡し忘れていた。
「まずい」
 それも怖いことで有名な有田さんだ。時間にも厳しく規律にも厳しい、このタイミングで話したくない人ナンバーワンだ。間違いなく怒られるに違いない。
 とりあえず着信ボタンをタップし、電話を耳に当てる。
「すみま──」
『どうしたんだ、鏡味くん。遅れるなんて珍しい。体調でも悪かったのか?』
 声は間違いなく有田さんだが、いつもの有田さんの話し方じゃない穏やかな話し方だ。それに、俺は遅刻の常習犯だったはずなのに。
「え……あ、いえ、寝坊してしまって」
 記憶とのギャップで言葉に詰まる。そんな俺をよそに、有田さんは豪快に笑った。
『そういうことだったか。今日は重要な商談はないんだ、気を付けて来るんだよ』
「え? 半田商事との商談があるはずでは?」
『いやいや、半田商事とは明日だよ。慌てすぎて、予定がこんがらがったんじゃないか?』
 どうにも腑に落ちないが、有田さんがそういうならそういうことなのだろう。あとでスケジュール表を見てみないと。
「あ……そうかもしれません」
『他に何かあるか?』
「いえ、特には」
『わかった。会社についたら、私のデスクに来るんだ、任せたい仕事がある』
「わかりました。では、失礼します」
 電話を下ろし、通話終了ボタンをタップする。すかさず、スマートフォンのスケジュール表をタップすると、半田商事との商談は明日だった。
──なんだ。有田さんの言う通り、やっぱりこんがらがっていただけか。
 長く息を吐いて、俺は電車の椅子に沈み込む。上司に怒られないという安堵と取引をお釈迦にしないで済むという事実のおかげで、細かいことはもう気にならなかった。

 電車を降りて、いつも通り北口から右に歩く。すると、左に歩いたときに見えてくるはずの商店街が見えてきた。
──あれ?
 右と左を間違えただろうか? スマートフォンを取り出し、マップアプリを開いて覚えている会社の住所を打ち込む。すると、北口から左に歩けとの表示が出てきた。
「おかしいな……」
 何とも言えないモヤモヤが心を覆うのを感じつつ、踵を返して左に歩く。しばらく歩くと、会社が入居している見まごうことのない灰色をした雑居ビルが見えてきた。
 今日はおかしなことばかりだ。電車は上下反対になっているし、厳しい上司は打って変わって優しいし、右に歩いたと思ったら左に歩いている。いつから、俺は右左が分からなくなったのか。
 悩んでいても仕方ない。とりあえず、仕事に行かないと。
 エントランスに入る。いつもなら右にあるはずのエレベーターは、やはり左にあった。管理人でもいれば話を聞いてみてもいいが、今日は誰もいない。
 俺は一階に止まっているエレベーターに乗り込み、会社の入っている3階のボタンを押して、カバンから名前やらなんやらが書いてある社員証を取り出し首にかけた。
 エレベーターはけたたましい音を立てながら、上へあがっていった。
 会社につくと、入り口近くにデスクのある同期の萩野さんが俺の顔を見て、苦々しい顔をした。遅刻したというのに悠々と入ってきたせいで、彼女の気に障ったのだろうか。俺と彼女は同期で仲は比較的良い方だったはずだけど。
 ともかく、いったん自分のデスクにカバンを置いた俺は有田さんのデスクに向かうと、彼は何やら書類にサインをしていた。
 俺は頭を下げる。
「遅れてすみませんでした」
 彼が顔を上げる。
「電話でも言ったけど、大丈夫だ。とりあえず──」彼がサインしている書類とは別の、ファイルに入った分厚い書類を差し出す。「これを終わらせてくれないか」
 頭を上げ、俺は書類を受け取った。
「分かりました」
 自分のデスクに向かいながら書類を捲ると、分厚い割には対して難しくもない仕事だ。これなら、昼休みまでには何とか終わらせられるだろう。デスクについて仕事を始めると、自分の心を覆っていたモヤモヤは時間が経つにつれて雲散霧消していった。

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 昼休みの時間に入り、俺は伸びをした。先程の仕事もほとんど終わり、あとは確認だけすればいい。
 そういえば、元々ここには大して人はいないが、今日は有田さん、萩野さん、俺の三人しかいない。いつもなら佐藤さんや中西さんもいるのに。
──まあ、いいか。とりあえず、昼飯を食いに行こう。
 そう思い、俺はデスクから立ち上がって社員証を外しながらエレベーターに向かう。社員証はポケットにつっこんでおけばいいだろう。
 すると、その途中で萩野さんと会った。
「こんにちは」
「……」
 無視。いつもなら、返事を返してくれるのに。
 なんだろう、彼氏にでも振られて機嫌が悪いのだろうか。まあ、腫れ物に触れないほうがいいのは身をもって経験している。放っておけば、明日には機嫌を直していることだろう。
 そんなことを考えつつ、俺と萩野さんはエレベーターに乗り込んで一階を押した。そこでも、やっぱり彼女は機嫌が悪そうだった。
 それから30分くらいして、昼を食べ終えた俺は行く当てもないので会社に戻ろうと雑居ビルに向かう途中、またしても街並みに違和感を覚えた。来るときに気づかなかったのは、遅刻したせいで慌てていたからだろう。
──ん?
 俺の記憶にある街と左右が反対だ。左側にあった薬屋は通りの右側にあるし、右にあった本屋は左にある。
 本当に移動したのか? いや、そんなことはないだろう。なにせ、数多ある雑居ビルも全部移動しているのだから。
 そうなると、俺の記憶がおかしいのか、それとも世界が反転したのか。
 しばらく立ち止まって考えてみても、どっちが正しいのか分からない。とはいえ後者は物語じゃあるまいし、そんなことが起こるなんてありえない。前者だって、なにか特別なことをした記憶はない。今週末の土曜日、医者に行ってみよう。もしかしたら、頭に何か……腫瘍か出血かがあるのかもしれない。
 とりあえず、会社に戻ろう。昼休みもあと15分くらいしかない。

 雑居ビルに戻ると、不意に尿意を感じて化粧室に駆け込んだ。用を済ませて時計を見ると、まだ7分くらいある。戻る時間は十分あるだろう。
 ズボンを上げて、ポケットに入れておいた社員証を首にかける。
 洗面台に歩いて行って手を洗う。そういえば、身だしなみをほとんど整えていなかったっけ。
──丁度いい、ついでだ。
 顔を上げて鏡を見る。その時、俺はみぞおちの辺りにあり得ないものを見た。
 目を見開く。鏡の中の俺も、目を見開いた。
「ありえない、そんな馬鹿な」
 鏡の中の口が動く。その口も『ありえない、そんな馬鹿な』と動いた。鏡に右手をつくと、中の俺も左手を鏡につく。
 そうか、これが原因か!

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[怖い話]第07話 念仏 2017年10月20日


これは社員のまめこさんの体験談…

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アパートで独り暮らしをしていた時のこと。
その日は年に1回なるかどうかの金縛りにあっていた。

怖いなと思いつつ早く寝たいと考えていたが
ふと天井の角に目をやると・・・
男の人がコウモリのような逆さの状態でしゃがみ込みこちらをじっと見ていた。

眠気も吹き飛び鳥肌がたち凍り付く。
どうしたらいいかもわからない。
とりあえず思いつく限りの念仏を頭の中で唱えた。

はやくいなくなれ!!

懇願していると
すっと自分の枕元の横に誰かが座った。

自分が産まれる前に亡くなった祖母だった。

写真でしか見たことがなかったがすぐにわかった。
祖母は横を向いたまま一緒に念仏を唱えてくれた。

何分経っただろうか。
数秒だったのかもしれない。

ばーちゃん初めて近くで見たなと思ったらすぅっと消えていった…

金縛りも解けて男の人も消えていた。

ばーちゃんありがとう。

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[怖い話]第06話 お風呂 2017年10月15日


これは社員のまめこさんの体験談…

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数時間前の出来事だ。
私は長男とお風呂に入るのが日課だ。
遊ぶことに必死な長男にいつも
「鬼におへそとられるから湯船に浸かって隠しなさい」
と言っていった。
普段は何回いっても効果がないし風邪ひいたら明日お外で遊べないなど
色々追加してやっと浸かる。
しかし今日は体を洗って湯船に行くと自ら浸かった。
今日は浸かる気分なのかと呑気なことを考えていると
「鬼来ない鬼来ない鬼来ない鬼来ない・・・」
長男が言っている。
「おへそ隠してるから大丈夫だよ」
と言っても
「鬼来ない!」
と怒っている。
「鬼いるの?」
聞いてみると・・
「ちょちょにいる!(ここにいる!)」
と半泣きで扉の方を指さした。
その瞬間ぶわっと鳥肌がたった。

お風呂をあがる前にシャワーをかけるのが日課なのだが、
ザーッとかけていると
「めっ!めっ!鬼めっ!」
と急に長男が言った。
「鬼いない~」
どうやらシャワーの水が鬼に有効だったらしい。
長男が言うには男の方らしい。
通りすがりだったのだろうか。

p.s.
お風呂覗きが趣味の幽霊とかいるんだろうか…
そしてシャワーが有効だってのは良い情報だφ(゜ρ゜)

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[怖い話]第05話 廊下を歩く人 2017年10月8日


これはぐおじあと祖父の体験談…
※記憶が曖昧な部分は多少創作が入ってます

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祖父は病気をして仕事を引退してからは居間でテレビを見るのが日課だった。

ある時風邪を引いたぐおじあが学校を早退してきた。
祖父は足腰が弱く、二階に上がるのが大変なためぐおじあを居間で寝かせていた。

祖父が用事で席を外していると、
風邪で朦朧としているぐおじあの耳に足音が聞こえて来た。

トットットット

足腰の弱っている祖父は摺り足で歩いていたのでこんな軽快な足音は出せない…

トットットット

足音は廊下を行ったり来たりしていた…

しばらくして祖父が戻った時にぐおじあは祖父に尋ねてみた。

「誰かの足音してるけど誰か居たの?」

祖父はそれを聞くと事も無げにサラッと返した

「俺が一人の時もいつも誰か歩いてるんだ」

結局誰が歩いているかは分からなかった…

p.s.

もしかしたらひとつ前の話と何か関連があるかもしれないと思った事があります。
[怖い話]第04話 空き部屋の住人

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2017年9月30日


子どもたちから怖い話をねだられ、私は出身地で語られる伝説を話し始める。だが、その話には真実が隠れていた──。

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 ある日、私が散歩の途中に寄った公園の東屋で休憩していると、近所の子供たちが4人ほど寄ってきた。
 最近の子はゲームばかりなどというが、ここらでは遊び場があるおかげか、未だ外で遊ぶ子供たちを見る。かくいう私も、このように出歩いて体が鈍らないようにしているのだけれど。
 とはいえ、もう年も取って体も動かない。昔みたいに動ければいい、そう思ったことは何度もある。
 私は笑いながら、「どうしたんだい」と彼らに聞く。
「おばあさん、怖い話してくれない?」
 一人の男の子が、唐突に私に言う。近所ではカッちゃんだったか、そう呼ばれていたはずの子だ。ガキ大将とまではいかないけれど、子供たちをまとめ上げている子だ。
「またいきなりだねぇ。いいよ、とっておきのを話そう」
 そういうと、子供たちは喜んで、その場に座る。私は手振り身振りをしながら、子供たちに話し始めた。
 子供は元気な方がいい……元気すぎてもいけないけどねえ。
「これはね、私の出身地の、瀬戸内海のある島で起きた話なんだ──」
 
 月のない夜。ある島の砂浜で、男二人が小さなボートの側で話し込んでいた。男たちの顔は分からないが、一人はかなり背が高く瘦せ型。もう一人は対照的に小さく太っていた。
 この島は『禁断の地』と呼ばれている。男子禁制の島で、その理由は漁師に殺された大蛇を鎮めるためだとか男嫌いの海の神様が祭られているだとか諸説ある。
 しかし地元では、ともかく「男は入ってはならない」といわれつづけている。
 なぜなら入った男は、あるものは首と胴が離れた状態で、あるものは達磨──四肢が切り取られた状態──になってこの島の岩場に打ち上げられていることなどがたびたびあったからだ。これは地元の資料館曰く、そういうことがあったという最古の記録は江戸時代らしい。それもその男は「そんな噂はない」と言って死体で見つかったそうだから、もっと前から噂はあったのだろう。
 ただ、そういう場所には得てして、肝試し目的で入り込む人間がいる。果たして、この男たちもそのようだ。
「おい、こんなところで本当に面白いもんが見れるのか?」
「俺の目を信じろって」
「8と6を見間違えて、単位を落とすようなお前の目を?」
 そういって、痩せた男が笑う。言われた方はムッとして、「いいぜ、俺だけで楽しむから」と啖呵を切った。
「おいおい、そんなこと言うなよ。で、サトー。本当なのか?」
 男の一人がムッとしたままの、サトーと呼ばれた小太りの男を小突く。それで気持ちがほぐれたのか、サトーは「あぁ、もちろんだ。美女があの反対側の岩場で裸踊りしてたのを、俺はバッチリ見たんだ」と言った。
「どんな女だよ?」
「そりゃあ、白い肌で、出るところは出て、引き締まってるところは引き締まってる女だよ……顔は見えなかったけどよ」
 サトーはしりすぼみになりながら、そういった。
「嘘だったら、パクったボート返すのお前だからな」
「ジャンケンって言ったじゃねえか!」
 もう一人の男は「冗談だ、ジョーダン」と言ってケラケラと笑う。サトーはそれを見て、胸をなでおろしていた。そして「行こうぜ、モリ」といい、それに応じたモリとサトーは二人して、島の反対側にある岩場にのんびりと歩いていった。

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 今日は月夜で、満月の光に照らされた岩場は波で濡れ、ぬらぬらと光っていた。
「滑るから気をつけろよ」
「おう」
 いくら月夜で明るいとはいえ、夜の海は危ない。少しでも足を踏み外せば、へばりついた海藻のせいで滑りやすい岩から足を踏み外し、頭を打って怪我をする。下手すると、岩についているフジツボや貝で体を切ることだってある。
 だが、彼らは慎重に足を運んで、転ばないように気を付けているようだ。それにどうも、彼らはアウトドア用の長靴を履いているらしく、足取りはおぼつかないものの滑らずに岩場を歩いている。
「本当にこの岩場か?」
 モリがサトーに声をかける。サトーは自信満々に「間違いないって!」と答える。
「俺が見たときも、こんな感じの満月だったんだよ」
「ふーん」
 サトーは見たときの状況を、砂場に押し寄せる波のように、切れ間なくモリに話していた。それにモリは相槌を打ちながら、岩場の先へと進んでいく。
 岩場の先についた彼らは足を止めた。そこは岩場の中で唯一滑らかで平らな岩の上だった。少し進めば、もう海の中だ。
「ここで見たんだよな? それもはだしで?」
「ああ……」
 モリの問いに、サトーは自信なく呟いた。どうみても、こんなところに人が来ているとは考えにくいからだ。
 そこは、今のような干潮なら足を波に洗われる程度で問題ないが、満潮になれば簡単に沈んでしまう。それに、いくら平らとはいえ周りはごつごつとした岩が出ており、裸足で歩けば怪我をするのは避けられない。また、ぬめる海藻が岩に張り付いており、ここで踊るなんて激しい運動をすれば、容易に転ぶ。
「お前の見間違いなんじゃないか?」
「かもしれねえ……こんなところに女がいるなんて、考えられねえもん」
 モリが海の方を見ながら舌打ちして、「ちっ、骨折り損かよ。帰ろうぜ」と言った。それに「だな」とサトーが返す。
 その時、空気を切る音が響き、モリの隣にあったサトーの頭が無くなった。猛烈な勢いで噴き出す血液に、モリは「え?」という素っ頓狂な声で答え、思わず後ずさる。その時、彼は足を滑らせて強か石に体を打ち付けた。
 その時、モリはその女と目が合った。
 腰に付けたベルト以外は裸の女。プロポーションは最高だろうが、顔はおしろいで白く塗られ、怨嗟の形相を浮かべて、彼をにらんでいた。その女が手に大きな鉈をもって、モリを見下している。
 女はモリの胸を踏みつける。情けない声が漏れたが、女はそのまま鉈を左脇にあてがって、上へと切り裂く。地面が割れるような悲鳴も意に介さず、女は同じように右腕を切り落とした。
 悲鳴は次第に薄れ、荒々しい呼吸が聞こえ始める。譫言の様に「はすけへ……」という声が聞こえるが、女は足を離して腰につるした水筒を開け、モリに中の塩水を浴びせかけながら、呪文を唱える。
 モリの体が何度かビクッと痙攣してから、長い息を吐いて彼の目から光が消えた。
 女は遺体を祭壇に横たえ、また呪文を唱える。そして、満潮になるまで、神に向かって踊り続けた。

「──ってお話があるんだよ。女の人は妖怪かお化けなんだろうねえ、怖いねえ」
 余韻を残すように、私は言った。どうも、この話は子供たちの心をつかんだようで、彼らは身を乗り出すように話を聞きながらも、固まっていた。
 その時、コウちゃんと呼ばれている子が、「なんで登場人物が全員死んでいるのに、おばあさんは知ってるの? 作り話なんじゃないの?」と聞いてきた。
 確かに見た人がいないと、怪談話は伝わらない。
「そうかもしれないねえ……私も地元にいたときに聞いただけだからね。でも、私の地元で伝わる話なんだ」
 コウちゃんの質問は、周りの子たちの緊張を解いたようだった。口々に「作り話か」という声が聞こえ、子どもたちは胸をなでおろす。ざわめき始めて少しすると、カッちゃんが「ありがとう、おばあさん」と言って、子供たちは別の遊びに向かっていった。
「やれやれ、忙しいねえ……元気なのは良いことだけど」
 私は子どもたちの背中を見ながら、あの当時のことを思い出していた。確かに、作り話のように聞こえるだろう。まあ、今の世の中であんな風習を続けている島があるなんてこと、そう信じられるものではない。
 だが、私が真実をすべて語ったというわけではないということに、彼らはいつ気づくのだろうか。願わくば、あの島に関わること以外で思い出してほしい。できれば、いつまでも気づかないでいてくれると嬉しい。
 本当のことを知ったら、子供たちは私に話しかけてなんか来なくなっちゃうからねえ……。

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[怖い話]第04話 空き部屋の住人 2017年9月17日


これはとある兄弟から聞いたお話…
※記憶が曖昧な部分は多少創作が入ってます

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兄弟は長男 > 次男 > 長女の三人兄弟。
子供が大きくなったタイミングで長男と次男の部屋が増築された。
※長女は子供部屋をそのまま引き継ぎ
※増築された部屋は2階、1階は車庫

こんな感じ↓
        長男
  廊下廊下廊下廊下
両親廊下長女  次男

長男は高校卒業と同時に進学の為に家を出た。
長男の部屋は空き部屋となった。
その少し後からこの家では怪現象が発生する。

夜中の2時頃になると誰かが廊下を歩いて来る足音がする。
足音はそのまま長男の部屋に入りドアをパタンと閉める。
次男は不思議に思い長男の部屋のドアを開けるが誰も居ない。

とある日次男が夜更かししているとまた足音が聞こえて来た…
今日は部屋に入る前に見てやろうと。自分の部屋のドアの前にスタンバイ。
ペタペタという裸足の足音が近付きドアの前に来た瞬間!

「バーン!」

とドアを勢い良く開けて兄の部屋のドアを見た

何も居なかった…
しばらく待ってみたが何も起こらなかったので次男は諦めて寝る事にした。

[翌日]

長女「兄ちゃん昨日足音が来たときドア開けたでしょ?」

次男「あれ?あれお前にも聞こえてたんだ?」

長女「兄ちゃんがドア開けた時に部屋に上半身しかない女が
   私の部屋に入って来てそのまま窓から抜けていったんだよ」

長女の話からすると、
次男がドアを開けた瞬間に女は長女の部屋を通過し、
窓から次男の部屋方向に抜けていった事になる。

こんな感じ↓
        長男
  廊下廊下廊下廊下
両親廊下長女→女→次男

あれ以来、長男の部屋に向かう足音はしなくなった。
もしかしたらどこかに行ったか。
次男の部屋に居着いたのかもしれない…

この話がなぜこんなに詳細に書かれているかと言うと、
この話の次男はぐおじあだからである_ノ乙(、ン、)_

P.S.
これ書いてる時にずっと耳鳴りと鳥肌が立って怖かったなぁ(((;゚д゚)))

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